はじめに EBM がありました。
EBM とは、医学用語で
Evidence Based Medicine(根拠に基づいた医療)
の略です。
専門誌や学会で公表された過去の臨床結果や論文などを広く検索し、客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、治療方針を決める。
という意味です。
そこから派生してできた言葉が
EBN
= Evidence Based Nutirition(根拠に基づいた栄養学)
です。
- ブルーベリーは本当に目に良い?
- トマトを毎日10個食べると、本当に花粉症を防げる?
- クルミは本当に脳機能を向上させる?
といったことに、統計学的な証拠を添えて答えるのが、EBN です。
医学と同様、栄養学も日進月歩で、次々と新たな研究結果が発表されています。
一説によると、地球全体で一日平均5,000個の新たな研究結果が発表されているそうです。
(栄養学も含めた医学研究発表の数)
こうした研究結果はバラバラに保管されているとたいへん不便ですね。
そこで、一定レベル以上の研究結果に関しては、
- MedLine
- コクラン共同計画
といったデータベースに集約されることになっているようです。
前者(MedLine)はアメリカ系、後者(コクラン)は EU 系です。
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しかし、毎日5,000個の研究結果がデータベースに加えられるとなると、ほんとうに「ビッグデータ」ですね。
調べものをしようと検索するのも大変だし、検索して出てきたもの(過去の研究結果)を吟味して、エビデンス(根拠)としてまとあげるのも簡単ではありません。
実際、大学などでは、こうした作業を専門にしている人がおり、EBN の研究者はこうした「検索と統計処理」の専門家
と協力して活動しています。