アメリカには、「食べものに点数をつけるビジネス」 が存在しています。
今回はそのPART-2 です。
スーパーなどで売られている加工食品には必ず表示ラベルが ついています。
この表示が分かりにくいのは、日本でもアメリカでも同じです。
日本では、その分かりにくさを解決するために、「表示の読み方を学ぶセミナー」がよく開かれています。
つまり、買う側が賢くなることで、分かりにくさを解決しようというわけです。
アメリカでもこうしたセミナーはあることはあるのですが、日本ほど頻繁でなないような気がします。
むしろ、「食べものに点数をつけるサービス」を利用することで、手っ取り早く解決したいという生活者がアメリカには多いのでは ないでしょうか。
前回(PART-1)では、 そうしたサービスを3つ、紹介しました。
今回は、新たに4つ、紹介します。
ニュートリポインツ(Nutripoints)
1980年代に開発された手法です。
カラダに良いとされる成分(ビタミン、ミネラル、タンパク質など)が含まれている場合は加点、逆にカラダに悪いとされる成分(コレステロール、飽和脂肪酸、砂糖、塩分など)が含まれている場合は減点。
この加点から減点を引いた差額を、その食品の総カロリー数で割ったものを、最終スコアとします。
ニュートリポインツ(Nutripoints)は、この計算方法を書籍やセミナーを通じて生活者に伝え、生活者が自力で計算できるようになることを目指しています。
(そういう意味では、あまり手っ取り早いわけではなさそうです)
ニュートリション・iQ(Nutrition iQ)
スーパーバリューという食品スーパーが、ジョスリン・クリニックという医療機関と組んで2009年に開発したもの。
食品の栄養素の特長を、ラベルの 色分けによって表現しています。
- 食物繊維の豊富な食品は、オレンジ色。
- カルシウム豊富な食品は、ブルー。
- 良質のたんぱく質が豊富な食品は、黄色。
- 減塩が特徴の食品は、緑色。
- 低カロリー食品は、紫。
- 飽和脂肪酸の少ない食品は、赤。
- 全粒粉の食品は、暗いオレンジ色。
といった方法です。
ニューバリュー(NuVal)
全米予防医学会が監修しているサービスで、食品のヘルシー度を、100点満点でスコア化しています。
スーパーマーケットはおろか、学校のカフェテリアでも採用されており、全米でもっとも普及しているシステムの1つです。
つまり、人々は商品に付けられた点数をみながら、どれを買うか選択するわけです。
ガイディング・スターズ(Guiding Stars)
2007年にスタートし、このところ急成長しているサービスです。
これまで述べた他のサービスは、100点満点であったり1000点満点であったり、色分けの種類が多かったりしているのに対し、ガイディング・スターズは ☆(☆1つ)、☆☆(☆2つ)、 ☆☆☆(☆3つ)、および☆の数ゼロのたった4段階で、店頭にある食品をクラス分けしています。
4段階というシンプルさが受け、全米各地で採用が広がっているようです。
(未確認情報ですが、ガイディング・スターズを導入すると売上が1割アップするという調査結果があるそうです)
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以上、「食べものに点数をつけるビジネス」を4つ紹介しましたが、ほかにもいろいろあるようです。
鳴り物入りでスタートしたにも関わらず、計算方法に矛盾があり、明らかにカラダに悪そうな食品にハイスコアがついてしまうようなことが起き、サービスを停止している Smart Choice Program といった失敗事例もあります。
食べものに点数をつけるビジネスがいくつも出てきた結果、「結局どれを採用したらいいのか?」という声も、このところ聞こえてきているようです。
皮肉なことです。